大多数の選手にとって「夢をあきらめる場」である独立リーグを「セカンドキャリア構築の場」ととらえ前向きに現役生活にピリオドを打った元独立リーガーがいる。

ベテラン独立リーガーの引退

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 「充実していますよ。単調な毎日ですけど」
引退してまだ半年という元独立リーガー・西本泰承さんは今、故郷和歌山でジムのインストラクターをしている。
甲子園の常連、宮崎の日南学園で1年からレギュラー、奈良産業大学でもすぐにショートのレギュラーポジションをつかみ全日本選手権にも2度出場するなど、彼は紛れもなくドラフト候補だった。しかし、スカウトの「指名する」との言葉が実現することはなかった。  
それでも、彼は独立リーグに身を投じ、30歳の節目を迎えたこの春ユニフォームを脱ぐまで、日米の独立リーグで7年間ずっとレギュラーを張り続けた。
 
 まだ寒さの残る1月、8度目になるはずのシーズンを迎えるために始動した彼は、所属する四国アイランドリーグplus・高知ファイティングドッグスの開幕直前に退団した。その足でアメリカ独立リーグに2度目の挑戦をするために。しかし、その直後、彼は人知れず引退していた。
「だから『いつ辞めてもいい』って言ったでしょう。ここ数年は『就活』のために野球していたようなもんですから」

 プロ入りすることは小学1年で野球を始めたころからの当たり前の進路だった。そんな彼だから、大学でドラフトから漏れ、独立リーグに入ってからのほうが、プロへの手ごたえを感じていたという。
「学校の勉強はしなかったですね。もう進学も野球でするもんだと思っていましたから。今振り返るとエグいですよね。野球ばっかりやっていてね。具体的にプロが見えてきたのは高校の頃ですね。でも、3年の時、ちょうど球界再編で近鉄がなくなったんですよ。監督から『プロでもつぶれる時代。大学は行っとけ』って、プロ志望届は出さなかったんですよ」

 大学時でもスカウトたちから高評価を得たものの、やはり指名はなかった。独立リーグ入りした後も指名の話は出てきては本番直前で消えた。2012年、西本さんは最後の可能性を求めてアメリカの独立リーグに挑戦する。この時点ですでに伴侶を得ていた彼は、一方でプロ入りの夢を捨てた。

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