掲載日: 文章:阿佐 智

世界プロ野球観客動員数を見てみる – 後編「マイナーリーグ観戦という文化のない日本で苦闘する独立リーグ」

集客に悩む日本の独立リーグ

 日本の独立リーグに目を移してみると、その集客力の弱さが際立つ。先発の四国アイランドリーグplusがリーグ平均539人、後発のルートインBCリーグが618人と、ともに10年ほど前のリーグ発足当初と比べ半減していている。両リーグ平均の594人という数字は、アメリカ4大独立リーグの3020人の約5分の1、マイナーのルーキー級の1558人と比べても3分の1ほどでしかない。

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 チーム単体では、アイランドリーグ2連覇を遂げた愛媛マンダリンパイレーツが1414人とそれなりの数字を出しているが、これでさえもアメリカと比べると、この数字よりも下回っているのは、独立リーグでは4球団に過ぎない、さすがに親球団から選手の人件費を支払ってもらっているマイナー球団ではA級、ルーキー級(1球団だけ2A)の23球団がこの数字を下回っているが、アメリカではプロに相応しいレベルの独立リーグ球団を維持するには1試合平均最低1500人には必要だということだろう。日本で独立リーグが次々と誕生した頃、観客動員の見込みを2000人くらいに設定するリーグが多かったが、この数字くらい確保しないと経営は難しいようだ。ちなみに独立リーグ最低の徳島インディゴソックスの数字は381人。アメリカでは500人以下だとシーズン終了を待たずに球団が消滅すると言われているが、この数字をクリアしない球団は他に2つある。徳島の下にはA級のレイクランドの334人というのがあるが、このチームが属するフロリダステイトリーグはメジャーのキャンプ施設を使用しているので、経費はほとんどかからない。

 この数字を見れば、日本の独立リーグももっと観客を増やす努力をすべきなのだが、ただ、仕事終わりには一旦家に帰り、家族そろって野球観戦をするという生活文化が浸透しているアメリカと同等の観客動員を求めるのは、現在のところ現実的ではないかもしれない。その上、独立リーグよりレベルが上のNPBのファームでさえ、いまだ観客から入場料を取っていない球団もある。その中で、独立リーグというコンテンツをファンに受け入れてもらうのも難しい。ちなみに、近年ファームチームの公式戦を本拠地の大阪近辺各地で行い、ファン層の拡大に努力しているオリックス球団は、今シーズン主催60試合で計43251人、1試合平均721人を動員したという。

 現在のところ、日本の独立リーグはスポンサー収入によりなんとか持ちこたえているのが現状である。データのとれた282球団の下位15球団中10球団が日本の独立リーグ球団である現状を考えると仕方ないかもしれないが、NPBに毎年のように人材を供給する独立リーグを持続可能なものにするためには、ファンが球場にもっと足を運ぶ必要がある。伝え聞いたところによると、BCリーグには近鉄やオリックスで活躍したタフィー・ローズが、アイランドリーグではあのマニー・ラミレスがプレーするかもしれないとのこと。彼らの加入によって、ファンの足が独立リーグに向くのなら、それも大歓迎である。

世界282球団動員数下位15球団
NO チーム 所属 総動員数 試合数 平均動員数
268 富山 日本独立 26,631 38 701
269 福井 日本独立 26,604 38 700
270 ジョプリン 米独立 31,001 48 646
271 エリザベントン 米マイナー 19,427 31 627
272 群馬 日本独立 23,002 37 622
273 香川 日本独立 18,958 34 558
274 ブリストル 米マイナー 16,441 31 530
275 福島 日本独立 19,159 37 518
276 高知 日本独立 16,847 33 511
277 信濃 日本独立 19,431 38 511
278 石川 日本独立 17,081 37 462
279 プリンストン 米マイナー 14,635 32 457
280 武蔵 日本独立 14,671 37 397
281 徳島 日本独立 12,956 34 381
282 レイクランド 米マイナー 20,387 61 334

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