掲載日: 文章:阿佐 智

2016年シーズン観客動員からNPBファームを考える5:ロッテ編

 前回紹介した西武同様、2軍本拠地での公式戦で入場料を徴収していないのが千葉ロッテマリーンズだ。この球団の2軍本拠地は1軍本拠地とはかなり遠く、ライバルでもある西武の保護地域(フランチャイズを置く都道府県)である埼玉県にある。この球団も、西武同様、2軍は大半の試合を集客設備のない本拠、ロッテ浦和球場で消化し、残りの試合を1軍本拠、ZOZOマリンスタジアムと、保護地域である千葉県内各地で行っている。1軍は1992年から川崎から千葉に移転、地域密着策が成功しているだけに、2軍の活用も考えてほしいものである。

本社工場の敷地にある2軍本拠地

ロッテファーム2
 千葉ロッテマリーンズと言えば、独特の応援スタイルから12球団で最も洗練したファン層をもったチームというイメージがある。昭和の昔は、川崎の工業地帯のど真ん中にある「球界の場末」ともいえる川崎球場を本拠とした「ダサい」チームであったが、千葉移転後、地域密着型経営を推し進めた結果、「ジモト」の若者の支持を得、今ではライトスタンドはチームジャージを身にまとったサポーターで埋め尽くされている。

 ホーム球場のマリンスタジアムは、もともと特定のプロチームのフランチャイズとなることを想定して建設されたものではなく、したがって、西武球団のように、1,2軍の施設を集約させるということはできなかった。かつては1軍のホームグランドさえなく、仙台の宮城球場(現コボスタ宮城)を仮のホームとしてペナントレースを戦っていたくらいであるから、ロッテ球団は、ながらく自前の練習場をもたなかった。

 1989年になりようやく親会社の工場敷地に2軍本拠地、練習施設としてロッテ浦和球場を選手寮とともに建設したが、このため、1軍本拠地と2軍本拠地が別の県に離れて位置することになった。アメリカではメジャーとマイナーのフランチャイズが離れて位置することは当たり前のことであるのだが、冒頭に書いたようにロッテ球団は、フェンス沿いに簡易スタンドが並んだだけの収容2,300人ほどのこの2軍本拠地では試合興行を行うつもりはないようである。その意味では、1,2軍の選手の入れ替えなどことを考えると、この形態は不便でしかない。

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