掲載日: 文章:阿佐 智

元独立リーガーが取り組もうとしている「独立少年野球チーム」という壮大な実験

 昨今、アスリートのセカンドキャリアについて様々言われるようになってきている。プロスポーツの花形であったプロ野球選手でさえ、引退後に安定した収入をなかなか手にできなくなってきた昨今、マイナースポーツやプロ野球で第1戦でプレーしたわけでない選手にも「その後」には険しい道が待っている。それでも、アスリートにとっては引退後の人生の方が長い。その人生を競技にかかわって送りたいという「第2の夢」を叶えようとチャレンジする元選手の姿を今回は追ってみた。

つかめなかった夢


 寒風吹きすさぶ荒れたグランドで少年を指導するジャージ姿。昨年のこの時期はプロ野球選手とともに自主トレに励んでいた。そのギャップにも「自分で決めたことだから」とある種サバサバした表情を見せるのが、西本泰承(やすつぐ)さんだ。西本さんは、昨年まで日米の独立リーグでプレーしていた。引退を決めたのはシーズンが始まった後。30歳前にして舞い込んできた新しい仕事の話に潮時を悟った。

「もう少しプレーはしたかったですけどね。まだまだやる自信もありましたし。でも、辞めようと思ったときに仕事があるかどうかはわかりませんから」

 妻子ある身にとっては、セカンドキャリアを優先するのは当然のことだったのかもしれない。彼は、それまでプレーしていた四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに暇乞いをし、地元・和歌山に帰り、ジムのインストラクターとして第2の人生を歩むことにした。

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