掲載日: 文章:阿佐 智

元独立リーガーが取り組もうとしている「独立少年野球チーム」という壮大な実験

一生野球に携わっていきたい


 そんな西本さんだったが、野球の虫が疼くのを止めることはできなかった。夏が過ぎた頃、少年野球チームを立ち上げることを思いついた。

 自身の現役時代を振り返り、悔いの残ることも多々あるという西本さん。そういう思いを子どもたちにさせることなく、選手生活を全うしてほしい、そのための礎を築く手伝いをしたいという思いで始めたと言う。

「独立リーグでの現役時代、オフの練習場所を確保するために、中学までいたリトルシニアのチームの練習場を使わせてもらったりしてたんです。そういう時に、これまでの指導者のやり方にちょっと疑問を感じたんですよ。なんか型にはまったプレーしか教えていないなと。その後、いろんなところに野球教室に行かせていただいたり、個人レッスンを依頼されたりして、そういう思いは余計に強くなったんですね。僕が、独立リーグ、とくにアメリカで一番感じたことは、指導者の固定観念で野球をさせてはいけないということです。そういう気持ちで、今の日本の少年野球の現状を見た時、これじゃいけないって思ったんです。

 僕は、中学卒業後、県外に出、果てはアメリカまでプレーしに行きました。結局、最終目標であるプロ(NPB)の舞台には立てませんでしたけど、自分がこれまで吸収してきたことを、故郷の和歌山、橋本で見せたいという思いが強いですね。そして、現役を退いた今、単純に監督として野球をこどもたちに教えたいと思います」

 そういう自身の思いから、既存のリーグには加盟せず、参加可能なトーナメントにだけ参戦するという。現役時代と同じ、「独立」を掲げてチームを自分の思うように運営するつもりだ。チームの理念は、「楽しく真剣に!」だと笑う。

 チームが正式に発足するのは来年の春。対象は中学生なので、今から入団希望の小学生をリクルートして「体験入部」させるべく、グラウンドは確保している。インストラクターの仕事ももちろん継続しながら、チーム運営も行っていく。単なる精神論や経験論による指導は排除し、フィジカル面のサポートは仕事を通じて知り合ったピラティス、ヨガのインストラクターをスタッフに招いて指導に取り入れる。

 最終目標は、自身が立つことのできなかったNPBのフィールドに教え子を送り込むことだ。

 西本さんは今、日本の野球界に新しい風を吹かせるため、「独立リーガーの作った独立少年野球チーム」という壮大な実験に挑戦しようとしている。

最高の環境で日々野球に打ち込み、結果を残す!八千代中央リトルシニア(後編)

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