掲載日: 文章:阿佐 智

阿佐智の世界野球レポート第2回:西半球第2の人気リーグ、アジアのプロ野球動向

先々週から始まった世界野球のレポート。今回は、前回に引き続きメキシコの話題と、隣国の韓国、台湾についてレポートする。

西半球第2の人気リーグはどこか?

 世界のプロ野球リーグで最も集客力のあるプロリーグは無論、メジャーリーグである。1試合当たり実に3万144人。日本のプロ野球NPBが2万9115人でこれ続き、1万1582人の韓国のプロリーグKBOまでが1万人超となる。その後をアメリカのマイナーはクラス別に扱ってたどると、メキシカンリーグを除く3Aが6675 人、以下2A、4194人、A級2914人、  アドバンス・ルーキー級(普通のルーキー級は集客興行を行わない)が1558人となる。台湾リーグCPBLは5873人、メキシコのトップリーグ、メキシカンリーグは4755人と2Aより少し上といった感じだ。チケットの売れ行きをリーグの経済力のバロメーターと考えると、選手の国際移動のメキシコ→台湾→韓国→日本という経路がひとつのパターンになっていることもうなずける。アメリカのマイナーは、トップのメジャーの報酬が天井知らずに高い分、低く抑えられているせいか、クラスにもよるが、メキシコや台湾にも喜んで行く傾向がある。

 ともかくも、シーズンの試合数の多い、野球というスポーツで、1試合平均1万人を超えるというのは至難の業で、このボーダーを越えたリーグは、「パワーハウス」の称号を与えられれてしかるべきだろう。実はこのボーダーに迫りつつあるプロリーグがある。試合数が少ないので夏季のリーグと単純に比べるわけにはいかない面はあるが、メキシコのトップ・ウィンターリーグ(メキシコにはウィンターリーグが複数ある)であるメキシカン・パシフィック・リーグはこの冬のシーズン、実に9688人を動員した。これは、実は、メジャーをのぞくと、西半球(南北アメリカ・ヨーロッパ)ナンバーワンの数字である。この数字を牽引しているのは、2年前に新球場に本拠を移したクリアカン・トマテロスで、1試合平均で実に1万6316人のファンをスタンドに集めた。この数字は、夏季リーグで言えば、世界296クラブのうち、42位に相当し、メキシカンリーグ人気ナンバーワンのモンテレー・スルタネス(1万2783人)、韓国のトップ斗山ベアーズ(1万6180人)、メジャー最下位のレイズ(1万5878人)を上回っている。ちなみにこのチームでは、ソフトバンクのベテラン、五十嵐亮太投手がこの冬にプレーした。

(ディアブロスの本拠、フライ・ナノ)

 数年前から、渡り鳥生活を送るマイナーリーガーの間では、「メキシコは稼げる」という情報は広く伝わっていた。その結果、外国人助っ人に好選手が集まるようになり、ここ数年のカリビアンシリーズはメキシコが席巻している。この傾向は夏季のメキシカンリーグのじわじわと影響を及ぼしているようで、今シーズンのメキシカンリーグのチケットの価格は、昨シーズンと比べて27.4%も上昇しているという。

 サッカーの国、メキシコは今、野球の世界でもパワーハウスになりつつある。

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