掲載日: 文章:阿佐 智

阿佐智の世界野球レポート3:メキシコのマイナーリーグ、今年も苦戦が予想されるU18W杯

世界野球レポート第3回目。今回はメキシコのマイナーリーグとU18の国際大会の話題を紹介する。

メキシコのマイナーリーグ、「リガ・ノルテ・デ・メヒコ」

カボルカの球場

 メキシコには、アメリカと同じようなマイナーリーグが存在する。現在、夏季に行われる全国リーグ、メキシカン・リーグ(リガ・メヒカーナ)は、選手育成のためのアカデミーを、リーグナンバーワンの人気を誇るスルタネスの本拠地、モンテレーに近いヌエボ・レオン州エル・カルメンに置き、ここで各チームがスカウトした選手によりA級リーグが実施されている。このクラスは公式戦は、興行というかたちをとることはなく、アカデミーの練習施設で試合をこなす。

 これより上級の選手は、国土の北東部、アメリカとの国境にも近いソノラ州周辺で行われる「リガ・ノルテ・デ・メヒコ」でプレーすることになる。こちらはアメリカのマイナーリーグ同様、フランチャイズをもつ球団によって運営されている。

 メキシカンリーグはメジャーリーグから完全に独立したプロ野球組織だが、歴史的な経緯から、メジャー傘下のマイナー球団が加盟する「ナショナル・アソシエーション」に加入し、3Aのランキングを与えられている。そのため、「リガ・ノルテ」は2Aという扱いを受けている。

 もともとメキシコには季節を問わずプロ野球リーグが広い国土に散在していた。それが、メキシカンリーグを頂点としたヒエラルキーを形成していくのだが、このリーグもその源流をさかのぼれば、1940年代に創設された「リガ・ノルテ・デ・ソノラ」に求めることができる。

 「リガ・ノルテ・デ・ソノラ」は、やがてメキシカンリーグの1軍ロースターからあぶれた選手を受け入れるようになり、その傘下のマイナーリーグと化していったが、このリーグが、5年前に分裂騒動を起こした。2012年シーズンは、「本家」の「リガ・ノルテ・デ・ソノラ」と新興の「ノルテ・デ・メヒコ」が併存していたが、この争いに「ノルテ・デ・メヒコ」が勝利し、現在に至っている。

 とは言え、そのフランチャイズは大きく変わることはなく、現在は、米墨国境の西端周辺に6球団が展開されている。メキシコのマイナーチームで特徴的なのは、マイナー球団はメキシカンリーグの複数の球団とアフィリエーション契約を結び、選手を受け入れていることだ。例えば、カボルカ・ロッホスというチームは、メキシカンリーグのラグナ・バキュエロスとユカタン・レオーネスの2球団から選手を受け入れている。また、外国人選手など、自球団で独自に獲得した選手もロースターには入っている。

 シーズンは4月初めから7月の半ばまで。84試合のペナントレースの後、オールスター戦を行い、プレーオフでシーズンを締めくくる。6つのフランチャイズの中でもエンセナーダは、サンディエゴからもほど近い、アメリカ人にとっては手軽なリゾートとして人気の高い場所。この期間に、南カリフォリニアを訪問する人は、少し足を延ばしてメキシコのマイナーリーグ観戦をしてみてはいかがだろう。

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