掲載日: 文章:上杉 あずさ

一戦一戦、みんなで強くなるチーム、九産大九州高校を訪問(前編)

森崎哲哉 監督へインタビュー!


優しい瞳で選手たちを見つめる。どんなに多くとも、チーム一人ひとりと向き合い、指導する。30年を越える指導者人生で、良い時も悪い時も乗り越えてきた。様々な経験が、選手たちへの愛情と厳しさとなり、チームを率いる―――。

(プロフィール)

昭和34年生まれ。熊本県八代市出身。八代東高校~九州産業大学~あけぼの通商でプレー。昭和60年に島原中央高校の監督。就任2年目に夏の甲子園出場。平成元年から、九産大で教員免許を取得しながら、九産大九州のコーチ。平成4年から同校監督を務める。

103人の大所帯を率いる名将。転機を経て一番変わったのは、みんなで練習するということ

部員数は103人という大所帯ですね。

森崎哲哉 監督(以下、監督):ちょうどセンバツに行ったあとに入ってきた子たちだから多いんですよね。みんな一生懸命で、野球が好きでまじめな子ばかりです。しかも、九州高校は全クラス7時間授業だから、グラウンドに来られるのも17時過ぎ。夏休みも午前中は授業があります。うちは、文武両道を打ち出しているので、みんな16時5分まで授業で、野球部にもスーパー特進や特進の生徒もいるんで、勉強もやらせないかんのですよ。土日も週末課題が出るし、野球も一生懸命やらないかんし、今の子たちは大変ですよね。野球部は学校行事でも、体育祭のブロック長や生徒会長とか中心になるような子が多いですよ。

そんな選手たちの集う今年は、どんなチームですか?

監督:去年の秋は3回戦(4回戦で福大大濠に敗退)止まりだったんですけど、その秋から春にかけて、今までで1番目に見えて成長したチームですね。ここ10年の中でも、1番成長しました。気持ちのいい子が多いですね。どんなにきつい練習でも嫌な顔しないで、一生懸命取り組んでいたのが感じられたし、それが結果に出ました。春の福岡大会優勝は意外だったけど、子供たちの潜在能力がうまく引き出された感じがしましたね。

一人ひとりの努力と、チーム力の高さが伺えますね。

監督:うちは、キャプテンが2人いるんです。チームキャプテンとゲームキャプテンがいて、ゲームキャプテンが試合で引っ張って、チームキャプテンは練習の時にみんなをまとめたりして、試合の時は、スタンドでみんなをまとめます。ちょうど前回の選抜の時から、キャプテン2人制にしました。人数も多くて1人じゃ大変だし、責任も重いし、負担を軽くしてやりたかったんですよ。それに副キャプテンもいるし、少しでもキャプテンの気持ちをわかる人を増やして、負担を減らして、みんなでチームを引っ張っていこうっていう選手を、少しでも増やしたかったんです。

だから、人数が多くても、まとまりがあって、雰囲気もいいんですね。

監督:そうですかね。あと、うちは、部員が多くても、みんなで練習できているから、それも強いところであり、弱いところでもあるのかもしれないね。強いチームは、メンバーだけを集中的に鍛え上げたりっていうところもあるから。でも子供たちにとっては、(みんなで練習する)メリットの方が多いと思います。みんなが腐らず、練習できるから、遊ぶような子もいなくなったし、全員で常に動きながらやって、体操、練習、グラウンド整備・・・行くのも帰るのも一緒。全員で行動するっていうのが一番いいですね。平成4年9月に、部内暴力問題で、9か月間、対外試合禁止になったことがありました。今考えると、そこが一番の転機でした。その転機を経て、一番変わったのは、みんなで練習するということ。今までは、選ばれたメンバーだけでやっていたんですが、この事件以降、みんなで同じ練習をして、みんなでグラウンド整備をするようにしたんです。それからよくなってきましたね。

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